鹿児島県ビジネスプランコンテストの最終審査会が12月15日に開かれ、14人のファイナリスト達が全力でプレゼンテーションを行いました。
大賞には火の大切さや豊かさを感じる体験型の宿作りを目指す、伊佐市地域おこし協力隊の林峻平さん、優秀賞には鹿児島大学大学院の林祐作さん、高校生賞には市来農芸高校の中川桃子さん、川北実鈴さん、村上想さんが発表したプランが選ばれました。
最終審査会はじまる
オープニング動画
いよいよ最終審査会がはじまりました。
プレゼンテーションは、制限時間5分の発表をした後、一般部門は7分、高校生部門は5分の質疑応答の時間があり、審査員からの質問に答えるというルールで行われました。
まずは、14人のファイナリスト達が、熱く、全力でプレゼンテーションした新ビジネスを紹介します。
一般部門 9件のプレゼンテーション
有限会社エール 代表取締役 倉本 哲さん
プラン名「オクラビューティープロジェクト」
生産量日本一の鹿児島県指宿産のオクラを加工原料化し、オクラのネバネバ成分を生かして、ヘルス&ビューティーの新たな素材として創出したい!
五代代表 松本 周作さん
プラン名「『包括的な遺品整理』 家財整理から家屋解体まで各専門業者が、チームで取り組む新たなサービス」
従来の遺品整理のサービスに加えて、新たに県内の解体業者と提携して家財処分から、家屋解体、土地活用まで包括的にサービスを行う事で、遺品整理にかかるコスト削減や効率化につなげたい。
濱洲 虎次朗さん
プラン名「ケーキなのに『甘くない』『低カロリー』『健康にいい』」
食物アレルギーの方にも安心して食べられるよう、たまご、小麦、乳製品を使っていない豆腐チョコレートケーキを商品化し、一人でも多くの人が幸せな気持ちになれるおいしいケーキを届けたい。
特定非営利活動法人 ねりやかなやレジデンス
代表理事 佐藤 理江さん
プラン名「空き家/空き地の活用モデルづくり」
奄美大島で暮らしたいというニーズがある一方で、島の使われていない空き家や空き地が増えている現状を解決し、島に来る人と住む人の幸せを実現していきたい。
尾山 妙子さん
プラン名「ネイルアートを応用したチャーム型天使の筆」
赤ちゃんの髪の毛を使った天使の筆を、現代ママ世代のニーズに合わせ、ストラップサイズに縮小し、ネイルアート等で可愛く飾り付け、値段の手頃さと機能性を持った商品を作成し、ネット販売を行いたい。
鹿児島大学大学院 理工学研究科
情報生体システム工学専攻 林 祐作さん
プラン名「魚の活性予測サービス「FishAI」(フィッシュ・アイ)」
人工知能技術の一種である機械学習を使って、特定の釣り場における「魚の活性」を予測し、その情報を釣り人や瀬渡し船、釣具屋に提供するサービスを行い、釣り人の「魚のいる場所、いる時間」を知りたいというニーズに応えたい。
合同会社 財の森 代表社員
堀内 加奈子さん 小野 公裕さん
プラン名「財の森プロジェクト「高級ジビエ加工商品販売」」
年々、有害鳥獣による農業被害が増えている中、気軽にジビエ料理が食べられるように、自宅で簡単に調理できる鹿肉と猪肉を使った加工食品を開発したい。
Laughter and beauty~Lab~
代表 坪内 百恵さん
プラン名「Laughter and beauty(ラフターアンドビューティー)
~笑いと健康的な美しさを、ママ・子供・シニアへ~」
呼吸法と笑いから出来ている笑いヨガと姿勢改善を取り入れたセミナーを実施し、子供からシニアまで、疲れた心身をリセットし、バランスの取れた健康な体になってほしい。
takibito代表 伊佐市地域おこし協力隊
林 峻平さん
プラン名「薪(まき)を燃やして地域を熱くする!地域資源活用による伊佐“不便化”計画!」
伊佐を通過型観光から、滞在・交流型観光へと変えていくためにも、伊佐に眠る未利用資源を薪として活用し、火の大切さや豊かさを感じることのできる体験型の宿を作っていきたい。
高校生部門 5件のプレゼンテーション
鹿児島県立鹿児島南高等学校
郷原 麻佑さん 山口 彩香さん
プラン名「鹿児島国体活性化へ!」
来年開催される鹿児島国体の各競技場の案内やその会場付近の観光スポットやコンビニエンスストアなどのお店を紹介するアプリを作り、県内外から来た選手たちに利用してもらい、鹿児島を活性化させたい。
学校法人川島学園 れいめい高等学校
坂元 宥哉さん 冨永 実佑さん 和田 健太郎さん
プラン名「うなぎで作る川内市」
薩摩川内市の特産「うなぎ」を活用して、缶詰やさつまあげなどの加工品を開発し、販売することで地域の産業に貢献し、薩摩川内市のうなぎの知名度を上げていきたい。
鹿児島県立甲南高等学校
馬籠 優汰さん
プラン名「串木野イノベーション」
いちき串木野市の商店街に目立つ空き店舗を利用して、地元の醤油蔵、酒蔵、漁港などが簡易レストランやバルを出店し、「食」を軸とした食べ歩きエリアを創りたい。
鹿児島県立市来農芸高等学校
中川 桃子さん 川北 実鈴さん 村上 想さん
プラン名「眠っている「かごしま」をイノベーション 知ってもらおう薩摩鶏、活用しよう薩摩鶏」
鹿児島県の天然記念物である「薩摩鶏」の種の保存のために、薩摩鶏飼育セットを販売する他、美しい羽根を使ったキーホルダー等を作り、販売するなどして
薩摩鶏の貴重な遺伝資源を守り、地域振興につなげたい。
鹿児島県立鹿児島南高等学校
甲斐 珠李亜さん、桐野 麻奈都さん
プラン名「茶ンブラン」
生産量全国2位の知覧茶を広めるため、鹿児島特産のさつまいもと知覧茶を使った新しい発想のケーキ「茶ンブラン」を作り、商品として販売したい。
以上がファイナリスト達が行ったプレゼンテーションです。
かごしまの暮らしを見つめ、身近な地域やだれかの困りごとを解決しよう、埋もれている魅力を発信しようという知恵をしぼったプランの数々。
鹿児島を自らのアイデアでより良くしていこうとする皆さんのビジネスにかける一生懸命な思い、熱意、そしてチャレンジする気持ちが伝ってくる、まさに渾身のプレゼンテーションが続きました。
4人の審査員の方が審査
ビジネスの第一線で活躍されている4人の方に審査をしていただきました。
プレゼンテーションを終えたばかりのファイナリスト達に、様々な角度から質問や意見が出されました。
4人の審査員
海老根智仁さん
創業支援のスペシャリストで、日本実業家のカリスマ的存在の一人
森友伸和さん
「鹿児島県よろず支援拠点」のチーフコーディネーターで、起業・経営に関するよろず相談の請負人
神戸海知代さん
コピーライターとして、起業家として、新しい女性の生き方を提案している
土井隆さん
地域課題の解決や地域作りをプロデュースする、地域創生の仕掛人
審査員の方たちは、ファイナリスト達が目指す新しいビジネスが、実現し成長していけるよう真剣にビジネスプランと向き合い、時に厳しく時に鋭く、そして温かなまなざしで的確なアドバイスをされていました。
審査は、実現性、独創性、成長性、地域貢献性、事業収益性、熱意、発表のわかりやすさ、資料のわかりやすさの観点から行われ、4人の評点を総合して、大賞、優秀賞、高校生賞をどのプランにするのか協議が行われました。
ベンチャー起業家 中石真一路さんの講演
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 代表取締役 中石真一路さんの講演も行われました。
演題「社会貢献型ビジネスに挑む~ソーシャルビジネスの種の見つけ方と育て方~」
これまで不可能と言われていたスピーカーシステムによって難聴者の「聴こえ」を支援する新しいコミュニケーションツール「コミューン」を発明されたベンチャー起業家の中石さん。日本発の世界初の技術で、世界中の難聴者を笑顔にしたいという熱い思いを語りました。
そして、いよいよ審査結果が発表されました。
審査結果の発表
高校生賞
鹿児島県立市来農芸高等学校
中川 桃子さん 川北 実鈴さん 村上 想さん
一般部門優秀賞
鹿児島大学大学院 理工学研究科 情報生体システム工学専攻
林 祐作さん
一般部門大賞
takibito代表 伊佐市地域おこし協力隊
林 峻平さん
鹿児島県の三反園知事による表彰
審査結果の発表の後、鹿児島県ビジネスプランコンテストの主催者である鹿児島県の三反園知事が表彰を行いました。
高校生賞
市来農芸高校
一般部門
優秀賞
一般部門
大賞
森友伸和さんによる講評
審査員4人の方を代表して、鹿児島県よろず支援拠点 チーフコーディネーター森友伸和さんに講評をしていただきました。
「皆さんそれぞれ魅力あるプランを出していただき、大変面白く楽しい時間でした。ただ、一言いわせていただければ、ご自分のプランを多くの人に知ってもらうせっかくの機会ですから、おとなしく収まらず、もう少しご自分のカラーを出して、はじけてもいいんじゃないかなと思いました。
皆さんの今後に期待しています!」
そして、最後に鹿児島県の三反園知事が閉会の挨拶を行いました。
三反園知事 閉会のあいさつ
「これまでの考えにとらわれず、自由な発想で鹿児島を前に出していく、売り出していくビジネスにどんどん挑戦してください。皆さんの若い力で、これからの鹿児島のビジネスをけん引して行ってください。」
交流会が開かれる
最終審査会の後、審査員やファイナリスト、観客の方、自由に参加しての交流会も開かれました。
改めて審査員の方に、ビジネスの進め方について直接アドバイスをもらったり、
ファイナリスト同士が、交流を深める場となりました。
ファイナリストの皆さんがとても晴れやかで生き生きとされており、プレゼンテーションをやり終えた達成感もあるでしょうが、その表情からは、今日の経験と出会いを大事にしながら、これから描く自分のビジネスを頑張って実現していこうという前向きなエネルギーようなものも感じました。
最終審査会が終わった後、私たちの所にファイナリストの方や観客の方から感想をお寄せいただきました。一部をご紹介させていただきます。
皆さんから寄せられた感想
一般部門の感想から
- ファイナリストに残ると思っていなかったので、プレゼンもお断りしようと思っていたのですが、覚悟を決めて、パワーポイントのスクールに通ったり、色んな分野の方からアドバイスをいただいたり、たくさんの方に背中を押していただき挑戦しました。断ろうかと迷っていたわりには、結果受賞できなかったことに、とても悔しい思いが湧いてきて、それにも驚きました。
これからの課題が見えてきて、とても有意義なビジコンでした。
ビジコンの一参加者になれたことを光栄に思います。 - 来年度、後輩たちにリベンジを果たさせますので、その際はまたよろしくお願いいたします。
高校生部門の感想から
- とても盛大なコンテストで、なかなか経験できない場を提供してくださりありがとうございました。
- 来年度以降もさらに良いアイデアが出せるよう今後も生徒とともに学んでいきます。
観覧者の方の感想から
- 来年度も開催されるようですので、来年は当日ボランティアとしてお手伝いしたいです。
- とても意義深い素晴らしい企画だと思いました。
今年度のビジネスプランコンテストを終えて
鹿児島県からの委託を受けてビジネスプランコンテストを運営するという大役をいただき、5月から準備を進めてきました。慣れない運営に時には戸惑いながらも、大きな責任を感じながら、きめ細やかに丁寧にをモットーに精一杯取り組んできたつもりです。
そして準備を進める中で、私たちも多くの新しい出会いがあり、新しい世界を知ることができました。鹿児島愛あふれる新ビジネスに挑戦する多くの方たちから、たくさんの刺激を受け、たくさんの力をいただきました。
これからも、皆さんがどのように大きくビジネスを展開されていくのか見守らせていいただきたいと思いますし、私たち自身も皆さんと共に成長していけたらと思います。
ありがとうございました。