鹿児島から新しいビジネスを切り拓いていこうと始まった鹿児島県ビジネスプランコンテスト。既に今年度の募集が始まっていますが4人の審査員が決定しました。
県商工会連合会や県信用保証協会といった日頃から、地元の身近なところで事業者や創業を支えている機関や鹿児島から世界を視野にニュービジネスを立ち上げた女性起業家など多彩な顔ぶれです。
その豊富な経験から、新規事業や創業をお考えの方のビジネス始動に即お役に立てる審査をして頂けそうです。
ビジネスプランコンテストってどんな点を審査されるの?
今年で3回目を迎える鹿児島県ビジネスプランコンテスト。募集のテーマはこちらです。
- 新規性及び成長性があり、実現可能性が高い事業
- 「鹿児島ならでは」の強みを活かした事業等
一般部門と高校生部門があり、鹿児島から新しいビジネスをとお考えの方の応募をお待ちしています。
応募は9月30日(水)まで(17時必着)
一次審査では、それぞれの審査員の方々が事業計画書をもとに実現性、独創性、成長性、地域貢献性、事業収益性、熱意の6つのファクターで審査を行い、その総合評価点の上位から一次審査通過者を決定します。
一次審査では、点数による評価だけでなく、それぞれの審査員のみなさんから助言のコメントももらえて、自分のビジネスプランを振り返り、その完成度を高めていくための具体的なヒントをいただけそうです。
一次審査を通過した方々は、来年1月に開催予定の最終審査会に臨んで頂き、プレゼンテーションしていただくことになっていますが、その前にはブラッシュアップのための専門セミナーもご用意し、プランの磨き上げのお手伝いを致します。
競い合いはもちろんですが、創業や新規事業の展開を考えておられる方と伴走しながら、みなさまのビジネスチャレンジの夢のお手伝いをさせていただけたらと思っています。そのコンテストの根幹を担っていただく審査員の方々が決まりましたので、その顔ぶれをご紹介いたします。
みなさんのビジネスプランを審査して下さるのはこの4人です
経営サポート最前線で活躍するおふたり
まずご紹介するのが、鹿児島の商工振興や経営支援の最前線でご活躍のおふたりです。ビジネス立ち上げの実践的な場面にも数多く携わり、鹿児島発の事業発展を支えているスペシャリストです。
資金計画をサポートする経営支援
・創業支援のプロフェッショナル
鹿児島県信用保証協会
経営支援部 経営・承継支援課 課長
中小企業診断士
内村大作さん
全国に51ヶ所ある信用保証協会のひとつ、鹿児島県信用保証協会で活躍する内村大作さん。信用保証協会は、中小企業や小規模事業者、起業予定の方々が金融機関から融資を受けやすくするために、公的な保証人になって経営支援や創業支援を行っている公的機関です。
内村さんは「事業を展開する時、金融機関から直接融資してもらえるのがベストだが、中小企業や創業予定の人はそこがネックになって一歩が踏み出せないことが多い。運転資金は人間で言えば、生きていく上で必要な血液のようなもの。保証協会が金融機関との間に立つことで、迅速でタイムリーな資金調達が可能になる。」と話します。
保証協会では、事業開始後のフォロアップも行い、事業を展開する方々の資金繰りや経営の改善も後押ししています。内村さんは、この道28年のプロフェッショナルとして金融機関との橋渡し役となって地域に密着したビジネス発展の下支えをしています。
【プロフィール】
鹿児島市生まれ。高校(鹿児島)、大学(東京)卒業後、1992年(平成4年)鹿児島県信用保証協会へ入協。同協会では、総務部(電算・企画・総務)、保証部、管理部、経営支援部と全部署の経験があり、2020年(令和2年)7月より現職。2016年(平成28年)中小企業診断士の資格取得。
【内村さんからのメッセージ】
「ビジネスは『会社』対『会社』の時代から『会社』対『人』の時代にシフトしてきています。最終的なエンドユーザーのことをどれだけ考えられているかが重要だと思っています。財務状況が良好かということはもちろんですが、しっかりした理念や創業への熱意が感じられるかも見ていきたい。こんな時代だからこそ、骨のあるビジネスの登場を期待しています。」
商工振興を支える屋台骨
~地域発のビジネスやものづくりを支援する仕掛人~
鹿児島県商工会連合会
経営支援課 課長
中小企業診断士
林 輝吉峰さん
全国にネットワークをもつ商工会は、地域の商工振興を牽引する総合経済団体です。鹿児島県内にも38ヶ所の商工会があり、事業者で組織する会員数は16,500人にも及びます。その一大ネットワークを束ねているのが商工会連合会です。
林さんはその連合会の経営支援課の責任者。数多くの支援実績から経営革新や企業の財務分析にも明るい。また全国商工会連合会(出向)時代には、地方創生プロデューサーを務めるなど、地域発のビジネス展開にも積極的で、鹿児島の特産品を海外展開する様々なプロジェクトを企画・実現してきました。
【プロフィール】
鹿児島市生まれ。鹿児島大学卒業後、鹿児島県商工会連合会採用。上屋久町(現屋久島町)商工会、曽於市商工会、曽於地域広域指導センター・所長などを歴任。主に創業・経営革新・事業再生等の支援の現場に携わる。
その後、鹿児島県商工会連合会に異動。海外展開事業、農商工連携事業、アンテナショップ事業ほか、経営支援業務に従事。2016~2017年(平成28年~29年)には、全国商工会連合会に出向。地方創生プロデューサーに就任。全国の現場支援に加えてJA全中、全漁連、全森連、日商と「地方創生の推進に関する連携協定」の締結に携わる。
これまでに手掛けた主なプロジェクト
●ドイツにおける「“奄美の黒糖焼酎”広報PR・販路開拓事業」
・在独日本大使館大使公邸(ドイツベルリン)でのレセプション「奄美の黒糖焼酎の夕べ」(2013年~2015年の3年連続実施)
・ドイツ連邦議会(ベルリン)で開催された「第1回日独ビジネス対話」での黒糖焼酎PR事業
●ヨーロッパとの「酒と食の文化交流事業」in鹿児島
・欧州6か国の大使を鹿児島市に招き、講演、レセプション、展示会実施
●「フランス市場への浸透定着と世界的なブランド展開」事業
・「食と酒の鹿児島フェア」をパリの歴史的建造物パヴィヨン ルドワイヤンで開催 ほか
【林さんからのメッセージ】
「新型コロナの影響で社会の変化が加速度的に進んでいくと言われています。大変厳しい時代ではありますが、見方を変えればどんな時代にもチャンスはあります。鹿児島にはまだまだ生かし切れていない資源がたくさんあると思います。地域の特徴を生かしたビジネスや地域を元気にしてくれるようなビジネスが生まれればうれしく思います。思わず支援したくなるようなビジネスプランを楽しみにしています。」
鹿児島から起業!新進気鋭の女性経営者のおふたり
起業家のおよそ8割が男性。未だ圧倒的男性社会といわれる中、2015年と2016年に熱い思いに突き動かされて起業した鹿児島の女性経営者のおふたりです。共通するのは、海外での生活体験を通じて感じた故郷鹿児島への深い愛情。
外から見えてきた鹿児島の魅力を世界に伝え、鹿児島と世界と繋ぐ新しいビジネスを創り上げたいとフロンティア精神に溢れています。ビジネスを共に目指す人の力になりたいと審査員をお引き受け下さいました。
故郷と世界を繋げる架け橋に!
地元企業のグローバル化を支援する起業家
合同会社Go! Kagoshima
代表 門田晶子さん
通算21年の在米生活を経て「ダサい」と感じていた鹿児島が新鮮で面白いことに目覚めたという門田さん。2016年、鹿児島と世界を繋げる架け橋になりたいとビジネスに特化したコミュニケーション会社Go! Kagoshimaを立ち上げました。
手がける業務は、海外での商談や交渉ごとの英語アシスト、海外からの企業視察の対応やアテンド、学会での英語プレゼンテーションのコーチングなど多岐に渡ります。世界に売って出たくてもコミュニケーションがネックになっている地元企業の力になり、鹿児島で生まれた製品やサービスが世界に広がることを願って、「誰かが背中を押してくれれば、きっと羽ばたける。あなたの手となり足となります」と呼びかけます。モットーは自由で、人間らしく、楽しく、後悔しない人生。鹿児島人の「ぼっけもん」の精神溢れるアクティブな起業家。
【プロフィール】
鹿児島で生まれ育ち、アメリカで高校、大学卒業後、カリフォルニア州の民放テレビ局でアートディレクターとして管理職を経験。在米通算21年のち家業の印刷会社を継ぐため2006年(平成18年)に帰国。
2010年(平成22年)末より6年間渕上印刷株式会社の社長を務めたのち、ビジネス英語で地元企業のグローバル化支援をするため2016年(平成28年)に合同会社Go! Kagoshima を起業、独立。温泉と海と食と酒を楽しむ人生の旅人でありたい。
資格:温泉ソムリエマスター、焼酎マイスター・焼酎唎酒師、日本酒ナビゲーター、ワイン検定シルバークラス、情報セキュリティー技士
【門田さんからのメッセージ】
「新型コロナや自然災害など、予測できないことばかりな今、新しいビジネスにとっては大チャンス。誰も正しい答えがわからない今だからこそ、あなたの新しい発想、新しいやり方、見せてください。前例のないものほどチャンス!そんなの無理って言われたらニンマリ笑って自信を持って打って出てみて。石橋は渡ってから叩けばいい。LET’S GO!」
「人の手」による外国語(翻訳)で多文化・多国籍と交わる鹿児島に
株式会社Climbest(クラインベスト)
代表取締役 脇野真梨江さん
20代の頃、言葉がまったくわからない中国で現地の人に助けられた経験が、脇野さんの起業の原点です。その後、アメリカ、オーストラリアなどでの海外生活を経て「違うこと」は「個性」だと気づかされます。
2015年、大好きな鹿児島から外国語(翻訳)を通じて多文化や多国籍に触れられる環境づくりをしたいと株式会社Climbest(クラインベスト)を起業。対応している言語は、英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、中国語、韓国語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語、アラビア語の10ケ国語とまさに多国籍。
翻訳、通訳コーディネート、多言語でのホームページやメニューの作成などの他、多様な外国文化を理解する講習会なども開催。大切にしているのはネットや機械に頼らない「人の手」による翻訳。鹿児島在住の外国人翻訳者の仲間と共に「外国人の目線」を大切に「想い」が伝わる翻訳を目指しています。
他方、一般社団法人女性起業家スプラウトの理事を務めるなど、志を同じくする女性起業家同士のネットワークや学び合う場づくりにも力を注ぎ、エネルギッシュに活動の場を広げています。
【プロフィール】
鹿児島市生まれ。20歳の時に好奇心から単身中国へ。在中の日系企業に勤めるも、更なる多国籍な環境を求め、アメリカ、オーストラリアへ。海外で就職、留学を経験し、「より多国籍な環境に自身の身を置きたい」と帰国後、生まれ育った鹿児島を多国籍、多文化な社会とする事を目指し、2015年に起業。常識や一般論よりも自身の想いや自由を大切にする人生でありたい。
【所属 肩書】
・ 株式会社クラインベスト 代表取締役
・ 公益社団法人 鹿児島県工業倶楽部 理事
・ 一般社団法人女性起業家スプラウト 理事
【脇野さんからのメッセージ】
「何が正解か分からない今の時代、今だからこそ個々が力をつけていく時代ではないでしょうか。自身の想いをベースに0から1に作り上げていく経験は、起業する上で最大の楽しさであり今後の最大の武器にもなると思います。
自身の想いを大切に、あなたらしいビジネスを楽しみにしております!」
チャレンジがビジネス実現の扉を拓く
4人の審査員のみなさんからのエールを伺って「踏み出す勇気」を持つ大切さを改めて感じました。起業の実践の舞台に立つ起業家の方や起業支援のスペシャリストの方々からあなたのビジネスプランを分析・評価してもらえる絶好の機会です。
こんなことをやってみたい。起業したい。今だからこんな事業を立ち上げてみたいなど、様々なアイディアをお持ちの方々、コンテストの舞台へ上がってみませんか。かつて、このコンテストに応募して受賞した方のこんな言葉を思い出しました。
「ビジネスの世界の最前線にいる方々から、自分のビジネスの到達点を、審査して評価してもらえる、またとない機会ですよね。しかも、このチャレンジには、リスクが全くありません。舞台に上がらない手はないですよね。」
応募の締め切りは、9月30日(水)(17時必着)
審査員の方々と共に、みなさまのチャレンジを心からお待ちしています。
審査員のみなさんのZoomインタビューを近日アップします
審査員のみなさんの横顔をご紹介する動画インタビューを近日中にアップいたします。起業支援の現場のお話や起業家の思い、コンテストに何を期待しているかなど、審査員の方々の生の声をお届することにしています。
お楽しみに…